すきなものごと

毎週金曜日、21:00更新。車いすダンサーです。HP:watername.net

図書館について

慣れない土地にいくとまずはじめに、図書館を探す癖がありました。泊めてくれるひとが住んでいる街に、あるいは友だちが住んでいる街に、行っていたころのことです。

慣れない場所は苦手なのに、旅をする感覚はどうしても、必要でした。いま自分は、なんにも持っていないんだという感覚。このまま、どこにいったっていいんだという身軽さと、来訪者でいられる気安さ。

そういう旅においては、ずっと一緒に行動したり、そのひとのコミュニティにはいるようなことは、あんまりたのしくなかったです。ひとりで、ふらふらと歩き回って、いろんなものをみつけて、そっと持ち帰るみたいなのが、なにかを回復させるのに、すごく必要でした。

だから出かけるくせに、慣れない土地はどうしてもこわい。だからいちばん最初に、図書館を探しました。

図書館には、ベースになる空気感というか、しんとした感じがあります。だけれど、本とかってやっぱり、司書のかたの趣味なのかセンスなのか、それぞれの色があるんです。それをいっこいっこ確かめるみたいに、好きな本を手にとって、それをたどってあるシーンを、なでなでしたり。

地下書庫が、だいたいの図書館にはありました。古かったり、色んな理由で、書庫のなかに置かれた本。地下書庫ははいれるところとはいれないところがあって、はいれても倉庫みたいに整然としているところもあれば、かびくさいちいさな部屋もありました。

かびくさい、ちいさな部屋がとてもすきでした。古い本だと、仮名遣いが旧仮名遣いだったりするんだけれど、その雰囲気と、地下書庫のかび臭い空間と、じょうずにじょうずに、編まれているみたいでした。

しばらくそこにいると、すうっとこころが落ち着いて、なんだか「さがしものをしよう」みたいなきもちにになりました。

落ち着く場所、って、積み重ねた時間とか、関係性みたいなものだとおもうんです。そのものずばり、ではなくても、色合いみたいなものとか。図書館やら図書室に通い始めたのは、小学生の頃かな。夢中になって、見たこともない世界にはいってゆくかんじ。我を忘れるって、とっても気持ちいいんだなと、感じたのを覚えています。

おしゃれ図書館では、仙台のメディアテークがすきです。いっかいのストアにおいてあるものが、すてきなんだな~。おわり。