それにさわったときに、あたしとおなじ色だ、とおもった。
からだのなかを満たす液体、おなじ色はふたつとないことをいまのわたしは知っているけれど。その時たしかに強烈に、そう感じたことをおぼえている。
感触を追うことだけを見つめていた。自分のなかにあるそれ、にふれることができなかったから、
「あたし」だったわたしは、みずのながれをたしかめるみたいに、なんどもなんども、それをくりかえした。
おぼえているのは、とるにたらないことばかりだ。たとえばポラロイドカメラで切り取ったとしたら、ただのぼやけた像ばかり。だけれど、細胞をひとつずつ取り替えるみたいに、きづいたら全部が、つくりかわってしまっていた、
それはほんとうは、どんな色をしていたんだろう。
昼間はにせものだと思っていた。それはずっとそうだった、どんな方法でも解けないとおもっていた、いくつものそれは、
色彩のながれのなかで溶けていった。見たことのない色を鳴らしながら、半分ずつのさかいめは、