すきなものごと

不定期で金曜日、21:00更新。車いすダンサーです。HP:watername.net

無題4

深く深く眠って、はたと目が覚めてすぐ、まだ夢の感触が、残っているような時に、


いまここ、以外のすべてが、曖昧に感じるような時間に。

たとえば手のひらの、かたちを疑うような、自分自身の輪郭が、ゆらゆらと揺れているような、時に。


確かなもの、を手繰るとそれは、いつまででも、変わらない、かたちをしていて、


変わらない、ということそのものが、不自然なんだよと、言った人がいた。

すこし怒ったように。もういい加減、時間を進めろと言いたかったのかもしれないと、何年もの時を経て、気づく、


変わらない、ままの、いびつさで、

いびつさを守るために、どんなものにでも、どんな姿にでもなった。


命に刻み込まれた感触は、やがて還るその場所で、円環になる。


薄暗いこと、考えてるんじゃないよと、笑われるかも、と、おもいながら、


「変わらない」ということすら、記憶の集積なのだとしたら、それも怪しいのかもしれない、と、


なにか、に、触れたときにおもう、ことを、繰り返し繰り返し。