先にことわっておきますが、全巻読破していないし、あくまでわたしがこうおもう、というやつです!
いちばん最初によんだのは、「センセイの鞄」だったとおもいます。表紙とタイトルのなんとなくで買った、いわゆるジャケ買いですね。
飲み友だちであるところの、かなり年上の男性との恋愛模様で、ちゃんと計算されたフィクションなんだけれど、部分部分がみょーーにリアル!とおもったおぼえがあります。
それからいくつか読んでいて、古今和歌集だったかな?を元にした短編がものすごく秀逸で。「当時の文脈はこうだったんじゃないか」とおもっていたのが、きっちり掬い上げられていて、
それを、現代の文章で再構築していることに、脱帽した覚えがあります。
ある作家にはまると、出版しているのをすべて読み漁る、という癖がある(あった)のですけれど、川上弘美さんはこれに該当しません、
出会ったタイミングで、一冊ずつ読んでゆきたいな、というか。なんかゆっくりで、読んでゆきたい本ですね。
余談ですが、読み尽くすキャンペーンやってると、すべての著作読み尽くしおわろうとしているときに、ものすごい寂寥感におそわれるのですよね。ああ、おもうさまこの世界にのめりこめる(新刊でる)のはまた、ずいぶんさきだ………と。
いまはそこにふりわける時間が足りてないのですが、あの快楽とさみしさは、いわく言い難いものがあります。
話がそれましたが、エッセイがまたおもしろく、読み返すとですね、ふんわりしているようでまるでふんわりしてない。骨組みがきっちり、外周としてつくられていて、
プロのエッセイというのは、多かれ少なかれそういうものだとおもいますが、川上弘美さんの読んでるととくに、「おそろしいまでに冷静だな………」とおもいます。きっちりくっきり、わかれているというか。ところどころものすげえ毒が含まれている部分があるのもよいですね!
いま、WEB上でエッセイを書かれていて、これがとてもすき。よい。わたしは本の神様がいるというフィクションを信じていて、必要なときに必要な本とは、すっとつながるとおもっています。いつだろうなあと、無意識でわくわくしておきたいなって。おわり。
○。きょうの一曲。○
youtu.be
ただの天使にしかみえません。